バギングについて

バギング:色々な人に意見を聞いて、より確実な答えを見つけよう!

バギングは、アンサンブル学習の仲間で、こちらも複数の弱い学習器を組み合わせて、より良い予測をするための方法です。ブースティングとは少し違う考え方をしています。

  • 考え方:
    1. 元のデータから、重複を許して何回かランダムにデータを取り出して、いくつかの小さなデータセット(ブートストラップサンプル)を作ります。
    2. それぞれの小さなデータセットを使って、独立した弱い学習器を学習させます。
    3. 最後に、これらのたくさんの弱い学習器の予測結果を集計して、最終的な予測を決めます。
  • 例えるなら:
    • あなたが難しい問題に困っているとします。
    • 一人の賢い先生に聞くのも良いですが、色々な先生に同じ問題について別々に意見を聞いてみます。
    • それぞれの先生は、少し違うデータ(例えば、違う参考書や過去問)を見ているかもしれません。
    • 最後に、それぞれの先生の意見を総合的に判断して、一番信頼できる答えを見つけ出す、というイメージです。

バギングのポイント

  • データのランダム抽出(ブートストラップサンプリング): 元のデータから、同じデータが何度も選ばれることを許して、ランダムに新しいデータセットをいくつか作ります。これにより、それぞれの弱い学習器は少しずつ異なるデータで学習することになります。
  • 独立した学習: それぞれの弱い学習器は、他の学習器の学習結果に影響を受けずに、独立して学習します。
  • 予測の集計:
    • 分類問題(犬か猫かの予測など): 多数決で最終的なクラスを決定します。一番多くの弱い学習器が「犬」と予測したら、最終的な答えも「犬」とします。
    • 回帰問題(気温の予測など): 弱い学習器の予測値の平均を取って、最終的な予測値とします。

バギングの代表的な手法

  • Random Forest (ランダムフォレスト): バギングの考え方をベースにして、さらに学習させる特徴量(説明変数)もランダムに選択する工夫を加えた、非常に強力なアルゴリズムです。たくさんの決定木(はい/いいえで判断していく木のようなモデル)を組み合わせて使います。

バギングのメリット

  • 過学習を抑える効果が高い: それぞれの弱い学習器が少しずつ異なるデータで学習するため、一つのモデルが特定のデータに過剰に適合してしまう(過学習)のを防ぐ効果があります。色々な視点を持つ学習器の結果を平均化することで、より汎化性能の高いモデルを作ることができます。
  • 比較的簡単に実装できる: ブースティングのように順番に学習する必要がないため、並列に学習を進めることができ、実装も比較的容易です。
  • ロバスト性(頑丈さ): 一部の弱い学習器が間違った予測をしても、他の学習器がカバーできるため、全体として安定した予測ができます。

バギングとブースティングの違い

特徴バギングブースティング
データの扱い重複ありのランダム抽出(ブートストラップ)間違えたデータを重視
学習の進め方独立して並行に学習順番に、前の学習器の結果を考慮して学習
目的過学習の抑制予測精度の向上
代表的な手法Random ForestAdaBoost, Gradient Boosting

まとめ

バギングは、色々な人に少しずつ違うデータを見てもらいながら意見を聞いて、最終的に一番信頼できる答えを見つけ出す方法です。それぞれの「弱い先生」は独立して考えるので、意見が偏りにくく、より多くのケースに対応できる、賢い「全体の判断」ができるようになります。

アンサンブル学習には、このバギングのように「みんなで少しずつ違うことをして、最後に良い結果を出す」という面白い考え方があります。

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