数値計算における誤差のまとめ


コンピュータは扱える桁数に限りがあるため、計算の過程で本来の値とのズレ(誤差)が生じます。試験対策としては、「どの演算(+-×÷)で、何が起こるか」を区別することが重要です。

1. 誤差の比較一覧表

誤差の種類キーワード発生する原因(操作)現象のイメージ
桁落ち近い値の差近い値同士の引き算有効数字が減り、中身がスカスカになる
情報落ち圧倒的な大差大きな数 + 小さな数小さな数字が無視されて消える
丸め誤差端数処理四捨五入・切り捨て・切り上げ枠に収めるために端を切り落とす
打ち切り誤差計算中止無限の計算を途中で止める「キリがないからここで終了!」と打ち切る

2. 各誤差の詳しい解説

① 桁落ち(けたおち)

  • 仕組み:値が非常に近いもの同士を引き算すると、上位の桁が打ち消し合って消えます。コンピュータは残ったわずかな値を「指定の桁数」に合わせようとして、後ろを「0」で埋めますが、その「0」には本来の情報(精度)がありません。
  • 例: $1.234567$ (有効7桁) – $1.234566$ (有効7桁) = $0.000001$→ コンピュータ上では $1.000000 \times 10^{-6}$ のように扱われ、有効数字が1桁に激減します。

② 情報落ち(じょうほうおち)

  • 仕組み:あまりにも大きさが違う数字を足すと、小さい方の数字が「保存できる桁」よりも右側にはみ出してしまい、計算結果に反映されなくなります。
  • 例: 「1兆」に「0.000001」を足しても、コンピュータの桁数制限により結果が「1兆」のまま変わらない現象。

③ 丸め誤差(まるめごさ)

  • 仕組み:計算機が扱える桁数を超える端数が出たとき、四捨五入などの「丸め」を行うことで発生します。
  • 例: $1 \div 3 = 0.333333…$ を $0.333333$ として扱うときに出るわずかな差。

④ 打ち切り誤差(うちきりごさ)

  • 仕組み:円周率の計算や、無限に続く足し算(級数)など、本来終わらない計算を特定のステップで止めることで発生します。
  • 例: $\pi$ を $3.14$ で止める。あるいは、ループ計算を100回で強制終了する。

3. 覚え方

  • 「引き算」の桁落ち(近い者同士が引いて、有効な桁が落ちていく)
  • 「足し算」の情報落ち(大きな数に足しても、小さい情報は無視され落ちる)

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